特異な一局だったことは間違いないです。
前回の記事に書いたように、塚田九段の執念に感銘を受けました。
一方で、コンピュータの弱点に期待したイレギュラーな内容だったことも事実です。
puella αの開発者である伊藤さんのブログも話題になっています。
・第2回電王戦
「アンチコンピュータ戦略、それに対するアンチ・アンチコンピュータ戦略、…とやっていくと、どんどん将棋としてはつまらなくなっていくような気もします。」という一文が印象深いです。
・コメントのコメント
入玉対策について
「こっちも限られた時間とリソースの中でやりくりしてるわけですよ。何でもかんでもできるわけではない。「最小のコストで、最大限の効果を目指す」が当然だと思ってます。」
と語られています。
いや、本当に、これからのコンピュータ将棋はどうなっていくのでしょうか。
相手に弱点があるなら、そこをついていくのは当然です。
それはやらなきゃ勝負じゃない。
しかし、その結果、将棋の内容が貧相になっていく懸念があります。
イレギュラー的な将棋が増えていくことでしょう。
米長前会長は、インタビュー映像の中で、「プロ棋士が見栄をもたずに、コンピュータをしっかり研究して対策すれば勝てる」というようなことを語っていました。
つまり、将棋の内容より、とことん勝負にこだわれと。
第1回電王戦もそういう一局でしたね。
最初から入玉狙いの泥沼流でした。
しかし、結果として、人間同士だったらありえないイレギュラー将棋ばかりになるのは、やはりファンとしては残念です。
ということで、コンピュータ将棋側に弱点をなくしていただくより他に方法がないんです。
しかし、開発者の方々は、「限られたリソースでやっているので・・・」とおっしゃる。
うーん。どうしたものでしょうか。