森内九段が攻めをつなげて見事な勝利です。
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2日目午後4時からのテレビ解説を観たのですが、渡辺竜王が的確な解説をしていました。
7四の桂馬はとらない方がいいという話。
その桂馬をとってしまうと効果がない上に相手に手番がわたってしまう。
その後の変化では後手が無理そうだということでした。
しかし、74手目、羽生名人は銀で桂馬をとってしまった。
実際、この後は一直線に森内九段の勝ちが決まってしまったように思えます。
テレビ解説で興味深かったのは、午後4時~6時の段階で、渡辺竜王だけが先手(森内九段)もちだったということです。
他の棋士たち、谷川九段、鈴木八段、木村八段、広瀬王位というそうそうたるメンバーはみな後手(羽生名人)持ちでした。
結果的に当たったかどうかという問題ではなく、感覚の問題として、やはり渡辺竜王には非凡な感性があるのかも知れません。
通常だったら、羽生名人は実績があまりに桁外れなので、後光がさしていて良く見えるということはありえると思います。ですから、「どちらの形勢が良いか」と聞かれるとつい羽生名人の方を持ちたくなってしまう。無意識的に引き寄せられてしまう磁場のようなものでしょうか。
しかし、渡辺竜王にたいしてだけは、羽生名人のまとっているオーラが通用しない。どこまでも冷静に判断できてしまうのではないか。
そんなことをふと思ったりした名人戦第一局でした。